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『価値づくり』の研究開発マネジメント 第373回

普通の組織をイノベーティブにする処方箋(220): KETICモデル- C:Curiosity(好奇心)(10)
好奇心は何によって生まれるのか(10)

(2026年1月26日)

 

セミナー情報

 

現在「好奇心は何によって生まれるのか?」の議論をしています。その中で「正の予測誤差を生み出す工夫」の議論をしています。今回は「正の予測誤差を生み出す工夫(その4):目標の期待値を明確にイメージする」を考えてみたいと思います。

●正の予測誤差を生み出す工夫(その4):目標の期待値を明確にイメージする

4つ目の正の予測誤差を生み出す工夫が、目標の期待値を明確にイメージして設定することです。

実際の達成値-期待値=予測誤差

ですので、期待値が曖昧であると、実際の達成値の比較対象の基準が明確でありませんので、当然のごとく第2ステップで(※)予測誤差は生まれにくくなります。

※:第1ステップ:最初の動機付け→第2ステップ:学習(正の予測誤差を生み出す)→第3ステップ:次の動機付け

そのため、何か行動を起こそうとする場合、最終的にはどのようなどのようなレベルの成果が期待できそうかの期待値を明確に頭の中でイメージすることが重要になります。

たとえば富士山登頂であれば、頂上に到達した場合の眼下の景色、顔に吹き付ける風の強さや冷たさ、そこから得られる気宇壮大な気持ち、そして感じることのできる達成感をイメージしてみるということです。

しかし、まだやったとがないことですので、目標の期待値を明確にイメージすることは、難しい場合も多いと思います。それでは、どうすれば期待値を明確にイメージすることができるのでしょうか?仮想のイメージをどれだけ明確にイメージできるかは、過去にどれだけ似たような経験を実際にしているかがおおいに関わってきます。たとえば、富士山のような高い山でなくても、もっと低い山で似たような経験をしていれば、また山でなくても大自然に身を置き気宇壮大な気持ちを経験していれば、自分の頭の中でそれら経験をさらに拡大、組み合わせて、富士山の頂上での状況をありありと現実味をもって想像することができます。

こう考えてみると、感動経験を沢山することが、さらなる様々な行動を促すものとなることがわかります。また、逆に行動なくして感動経験はありません。すなわち、行動→感動経験→行動→感動経験・・・といったように、行動はこの好循環を生み出します。

つまり、様々な感動経験を沢山することは、その場でその感動経験からそれ自体の喜びを得られるだけでなく、その後の人生全般においても重要な意味があることがわかります。

〇負の予測誤差も生まれる可能性が増える問題への対処

一方で、目標の期待値を明確にイメージすることで、負の予測誤差を生み出される可能性も高まります。この問題に対しては、仮に負の予測誤差が生まれる可能性が高まっても、正の予測誤差が生まれる可能性が高まればそれで良い、と考えるのがとるべき基本的な考え方であると思います。なぜなら、それにより 第1ステップ:最初の動機付け→第2ステップ:学習(ここで正の予測誤差創出がポイントとなります)→第3ステップ:次の動機付け、の繰り返しにより、「もっとやろう」という好奇心が高まっていくので、とにかくこのステップの上昇サイクルの「数」を生み出すことが重要であるからです。

(浪江一公)