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日本の製造業復活の処方箋「ステージゲート法」

第9回:ゲートの運営(その2)

(2012年9月24日)

今回はゲートの運営の中で、利用者の間で最も関心をもたれている、テーマ評価の項目について議論したいと思います。

■評価項目の種類
ゲートで評価する評価項目には大きく分けて、

-準備評価(Readiness check)
-事業評価(Business evaluation)
 ・絶対評価(Must-be criteria)
 ・期待評価(Should-be criteria)
-優先順位付けと経営資源配分(Prioritization and Resource commitment)
の3種類があります。

準備評価は当該ゲートで評価・意思決定する上で、その準備が整っているかどうかを評価するものです。具体的には成果物(プロジェクトチームのゲートへの提出書類)の前提となるデータや情報の信頼性を評価するものです。通常、YesかNoかの二者択一の評価で、仮に一つでのNoがあれば、差し戻しということになります。例えば、自社のビジョンに合致しているか等の項目が一般的です。

次の事業評価は、そのプロジェクトの事業面で自社にとって魅力度を評価するものです。事業評価には2種類の評価があります。一つは絶対評価(Must-be criteria)で、必ずクリアしなければならず、クリアしていない場合には中止もしくは差し戻しになる評価項目です。また期待評価(Should-be criteria)は、できるだけそれぞれの評価項目で高い水準を達成することが求められる評価項目で、5段階(5点法)等で評価され、一つ一つの評価項目において評価が低くても、即、中止や差し戻しにはなりませんが、総合点が求められ、そこに基づき評価されます。総合点がある点数(例えば100点満点中60点)を達成していない場合は、中止となるというものです。またこの総合点は、次の『優先順位付けと経営資源配分』にも利用されます。

最後の項目が『優先順位付けと経営資源配分』です。事業評価で例えば総合点で60点以上をとっても、経営資源は有限ですので、「他の」プロジェクトと比較して経営資源を投入する価値があるかについて再度「相対的」な視点で評価しなければなりません。ここでは、そのプロジェクトの「相対的」評価を行い、最終的に次のゲートに進めるための経営資源を配分するかどうかを決定するものです。

次回から一つ一つもう少し具体的に議論をしてゆきましょう。

これまで本メルマガは隔週で発行していましたが、次回からは毎週発行となります。次回の発行は2012年10月9日(火)です。

 

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