自社の技術別資源分析をすることで、これまで見えていなかった課題、またある程度は想定していた課題が定量的に明確になります。
ある事業における技術水準別研究者・技術者投入数分布 |

このような図を作成することで、これまでなかなか技術戦略に関する踏み込んだ議論が難しかった技術担当以外の経営幹部も、技術戦略の議論をすることができるようになり、その効果には極めて大きいものがあります。
自社の技術水準の評価は通常は、技術者自身に自分達の技術水準を評価してもらいます。なぜなら、第三者が評価しても、技術者にそれは我々の評価とは異なるという認識をすることになり、技術強化策実行の前提自体が大きく損なわれるからです。
ここで問題になるのが、それでは技術者が評価する水準は客観的かどうかということです。現実的にはどんなに精緻に評価しても、技術水準の評価が競合企業との比較である以上(競合の技術に関する情報の量は、その性格故限定される)、完全な客観性を確保することは不可能であるため、この点は甘受する必要があります。
しかし、その客観性を間接的ではありますが、評価する方法もあります。
上の図の例は、ある企業のある事業に携わる技術水準別研究者・技術者投入数分布を表しています。この例において、例えば全体の水準が高い一方で、事業における競合地位、利益、成長性が低ければ、その技術評価は甘いということがわかります。
また、競合企業の技術の水準に係わる情報の入手は困難ですが、技術担当者は当然競合技術に関心は深く、さまざまな断片情報の総合として、感覚的に他社に対する相対的技術水準はおさえているもので、現実には意外と客観的な評価が可能なのです。